- 04THE VOICE for MEN
- 03THE VOICE from REAL LIFE
- 02THE VOICE for MY IDENTITY
- 01THE VOICE to HERO
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『探偵物語』の工藤ちゃんはお手本だった。起きがけの珈琲はキリマン2:モカ1:ブルマン3のオリジナルブレンドを愉しみ、タバコはライターを最大火力にして着火したCAMELをくゆらせ、事件解決の暁にはTIO PEPEをグイと呑る。
ブラックスーツに身を固め、カラフルなシャツとネクタイでVゾーンを主張し、中折れハットをアイコンの極みとしてヴェスパで街中をクルージングするのである。
そこにはスタイルがあった。それを見てスタイリッシュという言葉を覚えた。『スタイリッシュ』という言語は特段学習すべきことではなく、必修科目というよりは選択科目だ。だから自由。NO RULE。
それを選択した者は皆、同じ価値観を共有することになる。それが『スタイリッシュ』からやがて『ダンディズム』という名の未来へ繋がることを本能的に知っているからこそ、男はモノで己を磨くのである。
工藤ちゃんが居てくれたら、きっと平成20年にはこんなモノたちに身を固めてヴェスパを走らせていたに違いない。
帽子はもちろん『探偵物語』から完全復刻されたCA4LA×松田優作の中折れハットだろう。これを目深に被り、前頭葉の隅々にまで緊張感を与え、THE MANをクールに飾るのだ。右の腕には(左手の場合もあるけど)工人舎ノートパソコンSH8KP12A。耳障り的には完璧に東側のスパイのような切れ味鋭い端末を巧みに操作して、悪い奴らや街の人たちになんとなく凄みを与えたい(←この「なんとなく」というところが、いかにも工藤ちゃんぽくてナイスなのだ)。そして左のポケットにはマットな色気を漂わせるリコーGR-DIGITALIIを忍ばせモアダンディ! 本当はフィルム用のGRも好きなのだが、21世紀になってせっかちになった工藤ちゃんには、その場で画像を見られる迅速便利なデジタルが相応しい。オシャレ極まりないデザインであるが、隠し撮りおよび盗撮には不向き。逆にお人好しの工藤ちゃんのこと、街の人々の記念写真を撮る時には、同じデジカメでもこれぐらいのサイズの方が、撮られる方もありがたがられるというところまで調査ずみ。
探偵たるもの、アイウェアはマストアイテムだろう。ここはあくまでも渋く、あくまでもスタンダードに、レイバンのウェイファーラーといきたい。1953年の発売以来、そのフォルムは微塵の変化も許さない。誰もが通り抜ける基本アイテムだが、これをスタイリッシュにフィットさせるにはあまりにも時間が必要だ。シンプルゆえにステージ性の高いサングラス界の絶対王者を、僕たちはなんとかサマにコナしたいものだ。
もしかしたら『探偵物語』の時代にTHE GUNZEが存在していたのではないだろうか? あの工藤ちゃんの身のこなしとキレ、あれはTHE GUNZEのシワザに違いないと思うからだ。過去に例を見ないフィット感と形崩れしない耐久性、匂いもシャットアウトするから徹夜続きの張り込みにもタフに応えてくれる。ダンディズム溢れる工藤ちゃんにとって、ボディと密接な関係にあるアンダーウェアは信頼のおける相棒となっていたに違いない。
財布。これには悩んだ。単なるハイブランド物であればいいのか?それが工藤 俊作っぽいのか? けれどチープな物であってはならん。探偵でなくとも、この消費社会に於いて財布ほど人目に晒すモノはないからだ。ましてブランドかぶれした愚か者の目は、そのブツが一体どこのナニかだということだけで、財布所持者のランク付けまでしてしまうという厄介な時代性がある。
ボッテガ・ベネタ、これにて一件落着。しかも2つ折り&ウォレットチェーン付きである。もちろん値段は張るが、オッさん臭くもガキ臭くもない、旨味と軽さを備えた、健康タバコのようなギアである。しかもこのウォレットはいざという時に武器にもなる(こんなこと言うとメーカーの人に本気で怒られそうだが)。そんなイマジネーションをもたらすこと自体が、ボッテガの硬派でシャープな魅力なのだ。
さて、ダンディズムの視点を攻めから癒しへと向けてみよう。
工藤ちゃんもそうだったように、君の朝には良質の珈琲の匂いが君の鼻をくすぐってくれているかい? 慌ただしさの中にも、穏やかで香ばしい時間が流れているかい? デロンギのコンビコーヒーメーカー、こいつは友だちだ。寝不足な朝も、眠れない夜も、そのやわらかい香りと味をカラダの深部まで届けてくれる。エスプレッソだって、もちろん。それが男のダンディズムを目覚めさせ、そして穏やかな眠りを約束してくれる。
そこに工藤ちゃん、いや、松田優作の角川映画作品集があれば、もう何もいらない。
男はダンディズムに対してどん欲だ。その声を、その迫真の演技を、その甘く切なく狂おしいストーリーを...。やがて我々は映像の中に吸い込まれ、松田優作という名の宇宙に旅に出る。
ダンディズムはロマンであって夢ではない。ロマンとは自分自身だ。それが故に、人はいつだって今を始点に自分を高める。
遠い昔からの自分を積み重ね、けれどいつもいつのときにも、『今』から男を鍛えあげる。「ダンディズム」という美学がある以上、我々は決して男をやめられはしない。男とは不幸な生き物なのだ。
それも工藤ちゃんが教えてくれた、大切な宝物なのである。

THE GUNZE

リコー GR-DIGITALII

レイバン ウェイファーラー

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