- 04THE VOICE for MEN
- 03THE VOICE from REAL LIFE
- 02THE VOICE for MY IDENTITY
- 01THE VOICE to HERO
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たとえば「優しさ」ってさ、本当は優しくしないことだったりするわけでしょ。厳しさとかも含めて、安易に優しくしないことでしか成立しないと思うな。安売りしちゃいけないし、簡単に与えてもいけない。逆に人から優しく思われたとしても、それは自分を保護するための手段で、自分を甘やかしているだけかもしれないよね。
だから誰にでも優しい人って、そんなに響かない。むしろ、人に冷たくあたってでも、”あの人は優しい”って言われるようになれば、それが本当の優しさなんだろうな。
なんでこんなこと言うかってね、僕自身が優しさを履き違えていたから。それも息子に。いや、なんてことない話だけどさ、ずっと息子に「勉強なんかしなくていいよ」って言い続けてたんだよ。好きなことを伸び伸びとさせてあげようっていう、間違った優しさが結局は高校受験の時に息子を苦しめた。
言われたよ、息子に。「なんで昔から勉強しろっって言ってくれなかったんだ」って。でもさ、厳しいだけでもグレちゃったりするわけでしょ。ほんと、難しいよな、「優しさ」って。
だからこう思ったの。僕なりの優しさというのは、若い人たちに、僕の失敗を教えてあげることだと。そしてそれは、「失敗するな」じゃなくて、絶対「失敗するんだから」という先輩からの安心材料として受け取ってもらえば嬉しい。
恋愛にしろ仕事にしろ、人は誰だって失敗する。若い頃は失敗しないことを理想とするかもしれないけど、失敗を知らない人生なんてあり得ないし、もっと具体的に言うと、僕が失敗した話というのは、誰かが失敗したときにきっと役に立つから。
「あ〜、トムさんが言ってたことって、こういうことか〜」って(笑)
それは、KINKIのふたりにも、えなり君や『堂本兄弟』のレギュラーの若い人たちにもちゃんと教えてあげたというか、聞いていただきました(笑)
ひょっとしたら、失敗を重ねた数だけ優しい人になれるんじゃないかって、もちろん断言はできないけど、あながち無関係ではないような気がするよ。
それを証拠に、近頃の僕はいろんなものに優しさを感じるようになった。歳をとったからなのかなぁ、いろんなものがすごくキレイに見えるんだよね。
自然とか植物とかだけじゃなくて、人も光も、みんなキレイ。老眼になるということは、いろんなものをキレイに見るためなんじゃないかと、また勝手な空想を働かせたりして(笑)
例えば80歳まで生きるとして、残り30年だからもっといろんなものをキレイに感じなきゃというどこか迫られるようなカウントダウン的な感覚じゃなくて、なんだ、世の中のものってこんなに美しいんだと心から思えるようになったんだよね。単なる美意識じゃなくて、尊さみたいなものも感じちゃって、”オイオイ、歳とるのも悪くないじゃん”みたいな。
もう、若い時なんかメじゃない! 若い時は花見に行ったって、桜眺めずに酒飲んじゃうもん。飲み過ぎて二日酔い三日酔いで、気がつけば花びら散っちゃって、アレ? もう花見シーズン終わり? みたいな(笑)。それって最低でしょ。
こんなにキレイな国で、こんなにキレイな四季があるのに、酒飲んだり説教してるだけじゃもったいないよね。もちろん自分に言い聞かせてるんだけど。
説教で思い出したけど、説教してるようじゃダンディズムとはほど遠いね。そういう人はきっと説教している方が落ち着きがいいんだと思うよ。特に歳をとると、若い人と共通の話題がみつからないから説教に走っちゃうってこともあるからさ。みなさんも気をつけないと本気で嫌われますよ(笑)
失敗して、キレイなものをキレイと感じられるようになって、うん、ここまではちょっと廻り道もしたけど、なんとなく良かったのかもなぁ。
あとは、そうだなぁ、剥き出しになれたらいいよね。
僕は音楽もコントも芝居も演出もやるけど、そろそろ本気で「剥き出し」で生きていきたい。それをやるには、用意されたフレームの中にどうやったら自分を閉じ込められるんだろうってことじゃなくて、積み木を箱にちゃんと詰めて、一度整理したのに、箱をガラガラってひっくり返して、そこからなにか始める感じかな。何も用意されていないところに対する可能性への挑戦。それも無垢で、空っぽで…。
人間って、培ってきたものを大事にすることも大切だけど、あえて何もない、予測できないところに身を置くことも時には必要だよね。
結局そういうことが、僕にとっては、人間らしさ、自分らしさを獲得できる瞬間なのかもしれない。
タレント。俳優。コメディアン。ナレーター。朗読家。演出家。音楽家。多彩な顔を持つが本人曰く「職業はBro.Tom」。日々、日本中のあちこちで音楽とコントを中心としたソウルライヴ活動を展開中。『堂本兄弟』(フジテレビ系)などテレビレギュラー多数。
http://www.tomsannokaisya.com/
ブルースハープは仕事と関係なく、毎日2、3本は持ってるね。ハープ歴は長くないけど、今では欠かせないものになってる。『HOHNER』の物が多いかな。とにかくいつも持ってたいんだもん、落ち着くから(笑)夜にひとりで吹くのもかなりいいよ。なんか景色が違ってくるような気がする。気のせいかな?

眼鏡は学芸大学にある『イエローアイズ』ってお店でちょっとしたオーダーをしてる。鼻にあたる部分(パッド+クリングス)を高くしてもらうの。フレームが頬っぺにくっつくのが嫌いなんだよね。泣いた時に涙がたまらないし。最近は老眼にカッコつける自分がなんだか可笑しくて大好きだなぁ。

